上下関係にとらわれないフラットな組織構造を維持したい

こんにちは、森本たかしです。
防災の現場において、経験や知識はとても大切です。
しかし、それが“上下関係”という形で硬直化してしまうと、組織は急速に動きを失います。

「若い人が口を挟めない」
「肩書きがないと意見が通らない」
「“昔からのやり方”が優先されてしまう」

こうした組織のあり方は、災害のように一刻を争う場面では大きな障害になります。


ある訓練現場での出来事

以前、ある地域での防災訓練に参加した際、私はこんな光景を目の当たりにしました。

避難誘導の担当をしていた若い方が、「この導線、危険では?」と指摘したにもかかわらず、年長のリーダーが一言。

「新人が口出しするな。俺が言う通りにしろ」

結果として、導線は渋滞し、予定より避難に大幅な時間がかかる事態に。
若い担当者の指摘は、的を射ていたにも関わらず、上下関係という“空気”が意思疎通を妨げてしまったのです。


命を守るには、立場より「意見の中身」が大事

災害対応において重要なのは、「誰が言ったか」ではなく、「何を言っているか」です。
現場においては、年齢や経験に関係なく、正しい判断が最優先されるべきです。

私たちの目指す防災士ネットワークでは、年齢・経歴・立場に関係なく、すべての意見が平等に扱われます。

  • 若手のアイデアが、新しい解決策を生むこともある
  • ベテランの知見が、失敗を未然に防ぐヒントになる
  • 外部からの視点が、組織に風を通す

多様な視点が活かされるフラットな場こそ、真に強い組織だと、私は信じています。


だから、役職も序列もいらない。

「開かれた防災士ネットワーク(仮称)」では、上下の役職を設けません。
重要な意思決定は、すべて“円卓会議”の合意形成によって行います。

誰もが主役であり、誰もが対等な立場。
だからこそ、遠慮なく本音が言えるし、新しい発想も生まれます。

防災士という肩書きにこだわるのではなく、「人としてどう行動できるか」を尊重する場でありたい。

それが、私たちが目指す「フラットな防災ネットワーク」です。

森本たかし
開かれた防災士ネットワーク(仮称) 発起人
防災士(2013年取得)/京都府舞鶴市在住