インカインド支援(非金銭的寄付)を活用した柔軟で持続可能な運営をしたい

こにちは、森本たかしです。

防災活動において、私たちは常に「お金に頼らない仕組み」を模索してきました。
なぜなら、資金が尽きたら止まってしまう防災活動では、いざという時に本当に頼れないからです。

そんな中でたどり着いたのが、インカインド支援(非金銭的寄付)という考え方でした。


「持ち寄り」で成立した防災イベント

以前、地域の防災イベントを企画したときのことです。
自治体の補助金もなく、資金はゼロ。
でも、「やるしかない」と覚悟を決め、私はこう呼びかけました。

「手伝える人、できることで力を貸してくれませんか?」

すると――

  • デザイナーの方が、チラシを無償で制作してくれました
  • ITに強い若者が、イベント専用のSNSを作成
  • 主婦の方が炊き出し用のレシピを提供し、材料も地域住民で持ち寄り
  • 消防職員の方が、消火訓練の指導をボランティアで引き受けてくれました

それぞれが「自分にできること」を持ち寄っただけで、
お金を一切使わずに、地域に大きな防災の輪を広げることができたのです。


「お金を払う」より、「力を出し合う」仕組みへ

従来のNPOでは、「会費を払う=貢献」という認識が一般的でした。
でもそれだけでは、次第に支える人が限られてしまいます。

私たちはそれを逆転させます。

  • 会費はゼロ
  • でも活動には積極的に関わる
  • 技術・労力・道具・時間…どんな形でも貢献を歓迎
  • その貢献は、「記録」「評価」「感謝」の形で可視化される

つまり、お金より「想い」と「行動」が価値になるネットワークなのです。


インカインド支援がもたらすもの

インカインド支援の最大の魅力は、「参加している実感」が得られること。
誰かの役に立っていると感じられる瞬間が、また次の参加の力になります。

そしてもう一つ。
「専門スキルを活かせる場」があることも、多くの人にとってのモチベーションになります。

たとえば…

  • デザイナー ⇒ チラシやバナー制作
  • 会計士 ⇒ 収支の透明化サポート
  • プログラマー ⇒ 会員管理システムの構築
  • カメラ好きな方 ⇒ 活動記録や広報写真の撮影

こうした貢献は、すべてが“寄付”として正式に記録・評価されます。


未来を支える仕組みとして

私たちは、「想いをつなげるために、お金は必須ではない」ことを実感しています。
もちろん資金があるに越したことはありませんが、なくても始められる方法はあります。

インカインド支援は、防災士ネットワークに関わるすべての人に、
「自分も役に立てるんだ」という気づきと喜びをもたらしてくれる仕組みです。

柔軟で持続可能なネットワークをつくるために、あなたの“得意”もぜひ貸してください。