
「避難」と聞くと、多くの人は小学校や体育館などの避難所に行くことを思い浮かべるのではないでしょうか。
でも実は「避難」とは「難を避ける」こと。つまり命を守るために危険から離れること全般を指します。
自宅が安全であれば、家にとどまって過ごす「在宅避難」も立派な避難。むしろ快適で安心な過ごし方でもあるのです。
避難所だけが「避難」じゃない
避難所にはたくさんの人が集まります。そこでの生活はどうしてもプライバシーがなく、体力的にもつらい面があります。ペットと一緒に入れないことも多いですよね。
実際、大きな震災では避難所生活が長引くことで体調を崩し、命にかかわることもありました。
だからこそ、自宅が無事であれば 「避難所に行かずに家で過ごす」=在宅避難 という選択が大切になってきます。
在宅避難のいいところ
在宅避難には、避難所にはない安心感があります。
- 住み慣れた家だから落ち着いて過ごせる
- 家族やペットと一緒にいられる
- 家にある食料や道具をそのまま使える
- 感染症の心配が少ない
「家が安全な避難所になる」――これが在宅避難の一番の強みです。
在宅避難に必要な備え
ただし、在宅避難ができるかどうかは 準備次第 です。
まずは基本の備え
- 水:1人1日3リットル、最低3日分
- 食料:レトルト食品、缶詰、乾物などを日常使いと入れ替え(ローリングストック)
- トイレ:簡易トイレや凝固剤を準備
- 明かり:懐中電灯、ランタン、電池
情報とつながりを確保
- 防災ラジオやスマホ
- モバイルバッテリーやソーラー充電器
- 家族で「連絡の取り方」を話し合っておく
⚠️ 注釈:近年、モバイルバッテリーやソーラー充電器に関する 発火・爆発事故 が多発しています。使用時は必ず安全性を確認し、過充電や不適切な使用を避けましょう。
また、代替え手段として カセットガスを利用した発電機 などを検討するのも一つの方法です。
健康への気配り
- 常備薬や救急セット
- 高齢者や持病のある方のための医療情報リスト
- 長く家にいるときの軽い体操やストレッチ
避難にはいろんな形がある
実は「避難」には3つの形があります。
- 水平避難:高台など安全な場所に移動すること
- 垂直避難:自宅や建物の2階以上に移動すること
- 在宅避難:安全が確保できるなら自宅にとどまること
どれも立派な「避難」。大切なのは「命を守れる方法を選ぶ」ことです。
行政も「在宅避難」をすすめています
最近では、多くの自治体が「できるだけ在宅避難を」と呼びかけています。
その理由は、避難所がいっぱいになってしまうのを防ぐため。避難所が本当に必要な人を守るためにも、自宅で過ごせる人は自宅を選ぶことが、社会全体の助けにもなるのです。
まとめ:家を「もうひとつの避難所」に
避難所に行かなくても、家で安全に過ごすことは立派な「避難」です。
在宅避難は「逃げない防災」。あなたの家を「もうひとつの避難所」にすることが、家族を守る力につながります。
「避難は移動することじゃない。安全を選ぶこと。」
安心できる我が家を、いざというときの強い味方にしていきましょう。
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