在宅避難はとても魅力的ですが、誰にとっても安全というわけではありません。
自宅が安全な避難所になりうるかどうかは、あらかじめ条件を確認しておくことが大切です。
ここでは在宅避難に向いている家・向いていない家の違い、そして他の避難先の選択肢について整理します。


在宅避難の「必須条件」

在宅避難が成立するためには、以下の条件を最低限満たしている必要があります。

  1. ハザードマップで確認して安全な場所であること
    • 土砂災害警戒区域の外である
    • 河川氾濫や津波浸水の想定区域外である
  2. 建物の耐震性が確保されていること
    • 1981年(新耐震基準)以降に建てられた建物である
    • 1981年(新耐震基準)以前の建物であれば耐震補強や改修を受けている
  3. ライフライン途絶への備えがあること
    • 水・食料・トイレ・明かりの備蓄
    • 情報収集や通信手段(防災ラジオ・モバイルバッテリーなど)

👉 これらを満たすことで、初めて「自宅=安全な避難所」と言えます。


在宅避難に向かないケース

反対に、次のようなケースでは在宅避難は危険です。

  • 土砂災害警戒区域や浸水想定区域に住んでいる
  • 古い木造住宅(旧耐震)で耐震補強をしていない
  • 高齢者や要介護者がいて自宅での支援が難しい
  • 集合住宅の上層階に住んでおり、長期停電でエレベーターが使えない

👉 「家に留まることが命を危険にさらす」場合は、迷わず外に避難することが大切です。


避難の選択肢を広げよう

避難所以外にも、さまざまな避難先を考えておくと安心です。

  • 避難所:最低限の安全は確保されるが、プライバシーや快適さに欠ける
  • 親戚・友人宅:安心感はあるが、気を遣う場合もある
  • ホテル避難(おすすめ!)
    • プライバシーが守られる
    • 食事や寝具が整っており快適
    • 遠慮せず滞在できる

💡 最近は自治体がホテルと協定を結び、災害時に避難先として利用できる仕組みも広がっています。事前に自分の地域の制度を確認しておくと安心です。


まとめ:自宅を「安全な避難所」にできるか確認しよう

在宅避難はとても有効ですが、条件を満たさなければかえって命を危険にさらすことになります。
ハザードマップで場所を確認し、建物の耐震性や備蓄を整えたうえで「在宅避難」を選択しましょう。

そして、もし自宅が不安なら、避難所や親戚宅、さらには ホテル避難 という快適で安心できる選択肢もあることを忘れずに。

「避難は移動することではなく、安全を選ぶこと」

自宅・避難所・ホテル、それぞれの特性を知って、最適な避難行動を選びましょう。

避難先の比較表

避難方法メリットデメリット
在宅避難・住み慣れた環境で安心できる
・プライバシーが守られる
・家族やペットと一緒に過ごせる
・備蓄をそのまま活用できる
・ハザードマップで安全確認が必要
・古い建物や旧耐震住宅では危険
・長期の停電・断水には備えが必須
避難所(学校・体育館等)・行政による最低限の安全確保
・物資の供給や情報が得られる
・地域の人と助け合える
・プライバシーがない
・体力的に厳しい(雑魚寝・トイレ問題)
・ペット同伴不可が多い
・感染症リスクが高い
親戚・友人宅避難・安心できる人のもとで過ごせる
・家庭的な環境で比較的快適
・相手に気を遣う
・長期滞在は負担になりやすい
ホテル避難(推奨)・プライバシーが守られる
・食事・寝具など快適に利用できる
・「遠慮せず」滞在できる
・高齢者・子ども連れでも安心
・空き状況に左右される
・費用が発生する

まとめポイント

  • 在宅避難は「条件を満たせば最も快適で安心」
  • 避難所は「最後のセーフティネット」だが、負担が大きい
  • 親戚宅は安心できるが「気を遣う」問題がある
  • ホテル避難は「快適・安心・遠慮なし」という大きなメリットがあるため、ぜひ選択肢に加えるべき