長雨にも注意しよう

今日の「今日できる防災」は、長雨への注意です。
災害というと、短い時間に激しく降る大雨を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、集中豪雨や線状降水帯のような激しい雨には十分な注意が必要です。
しかし、もう一つ気をつけたいのが「長雨」です。
一日中しとしと降る雨。
何日も続く雨。
強い雨ではないように見えても、雨が長く続くことで、土の中には少しずつ水がたまっていきます。
土が水を含み続けると、やがて限界を超えてしまうことがあります。
その結果、斜面が崩れたり、土砂災害につながったりする危険が高まります。
「今日はそこまで強い雨ではないから大丈夫」と思っていても、前の日までの雨が地面に残っていることがあります。
長雨は、じわじわ危険が高まる災害の入口でもあります。
なぜ長雨に注意が必要なのか
雨が降ると、その一部は地面にしみ込みます。
短時間の雨であれば、土が水を吸収したり、川や排水路へ流れたりします。
しかし、雨が何日も続くと、土の中に水がたまりやすくなります。
スポンジに水を含ませ続けると、やがて水があふれてしまうように、山や斜面の土も、水を含みすぎると不安定になります。
その状態でさらに雨が降ると、土砂崩れやがけ崩れが起きる危険が高まります。
特に、山の近く、がけの近く、谷沿い、川沿いに住んでいる方は注意が必要です。
また、自宅の近くに斜面がなくても、通勤や通学、買い物で通る道に危険な場所があるかもしれません。
大雨だけでなく、長く続く雨にも目を向けることが大切です。
今日できる備え
まずは、天気予報を見るときに「今日の雨量」だけでなく、「ここ数日どれくらい雨が続いているか」を意識してみましょう。
昨日も雨。
一昨日も雨。
明日も雨の予報。
このようなときは、たとえ一時間あたりの雨がそれほど強くなくても、土砂災害や河川の増水に注意が必要です。
次に、自宅の周辺を確認してみましょう。
・近くに山や斜面があるか
・がけの近くに家があるか
・家の裏に水が流れ込みやすい場所はないか
・側溝や排水口が詰まっていないか
・通勤や通学路に冠水しやすい場所はないか
こうしたことを、平常時に確認しておくだけでも備えになります。
また、気象庁の「キキクル」などで、土砂災害、浸水害、洪水の危険度を確認する習慣をつけるのもおすすめです。
雨が続いているときは、自治体からの避難情報にも注意してください。
家族で確認すること
長雨が続いているときは、家族で早めに話し合っておきましょう。
「雨が強くなったらどうするか」
「避難情報が出たらどこへ行くか」
「夜に避難が必要になった場合はどうするか」
「高齢の家族や子どもは早めに移動できるか」
「避難所までの道に危険な場所はないか」
特に土砂災害は、夜間に危険が高まると避難が難しくなることがあります。
暗い中、雨の中を移動するのは危険です。
避難情報が出てから慌てるのではなく、雨が続いている段階で早めに考えておくことが大切です。
また、家族が別々の場所にいるときの連絡方法も確認しておきましょう。
大雨や長雨のときは、道路が通れなくなったり、公共交通機関が止まったりすることもあります。
注意したいこと
長雨の怖さは、危険が見えにくいことです。
激しい雨なら「危ない」と感じやすいですが、弱い雨が続いているだけだと、つい油断してしまいます。
しかし、土の中では少しずつ水がたまり、斜面が不安定になっている場合があります。
次のような変化があれば、特に注意してください。
・がけや斜面から水が湧き出している
・小石が落ちてくる
・地面にひび割れがある
・山鳴りのような音がする
・川や水路の水が急に濁る
・いつもと違うにおいや音がする
こうした異変に気づいたら、近づかず、安全な場所へ移動してください。
無理に様子を見に行くことは危険です。
また、川や用水路、がけの近くには近づかないようにしましょう。
「ちょっと見るだけ」が一番危ないこともあります。
まとめ
長雨への注意は、今日すぐできる防災です。
大雨だけでなく、何日も続く雨にも気をつける。
土の中に水がたまり、土砂災害の危険が高まることを知っておく。
自宅や通勤・通学路の周辺を確認する。
気象庁のキキクルや自治体の避難情報を見る。
家族で早めの行動を話し合う。
こうした小さな確認が、いざというときの安全につながります。
雨の強さだけでなく、「雨がどれくらい続いているか」にも目を向けてみてください。
災害時には、地域の自治体、気象庁、消防などが発表する最新情報も必ず確認してください。
日ごろの小さな備えが、家族と地域を守る力になります。
防災士(京都府舞鶴市) 森本たかし
