”防災”とは? 

🌏 地域災害予報活動の位置づけ
読んで字のごとく「防災」とは、本来 “災害を防ぐ” という意味を持ちます。
ところが、現在の日本では、「防災」という言葉が“災害後の復旧や支援活動”までを含むように使われています。
これでは、本来の「災害を未然に防ぐ」という目的がぼやけてしまう――そこに私は強い違和感を覚えています。
🔸 私が提唱する『地域災害予報活動』
私が取り組んでいるのは「予防的防災」です。
つまり、災害が起こる前に、その兆候を察知し、地域の人々に注意を促すという活動です。
これを私は「地域災害予報活動」と呼んでいます。
たとえば、
大雨の際に土壌雨量指数や河川水位をリアルタイムで確認する
危険が迫る地域を早期に特定する
地域のLINEグループなどを通じて避難判断の材料を共有する
こうした一つ一つの行動こそが、地域災害予報の核心です。
⚙️ “防災”と“復災”の違い
区分目的主な活動内容
防災(予防的活動)
災害を未然に防ぐ
情報共有、避難判断支援、危険エリア分析
復災(災害後の活動)
被害からの立て直し
救援、物資供給、避難所運営、復旧作業
簡易トイレやロープワークはもちろん重要です。
しかし、それは**「復旧」や「災害対応」**の段階に属するものです。
私が重視しているのは、被害そのものを小さくするための“予測と行動”、
つまり「事前の一手」を打つことです。
💡 地域災害予報士の使命
防災士の資格を取ったものの、「何をすればいいのかわからない」――そんな方が少なくありません。
そうした“ペーパー防災士”にとって、この地域災害予報活動は、一つの明確な指針になるはずです。
「データを読む力」
「判断を伝える力」
「地域を守る責任」
――これらを結びつけることで、より多くの命を救うことができます。
私は、これこそが防災士の本来の使命だと信じています。
🔸 日本防災士会・室﨑前理事長の言葉を胸に
日本防災士会・室﨑前理事長はこうおっしゃいました。
「防災士の世界も変わらなければならない。」
では、私たちはその言葉に応えてきたでしょうか。
年々、災害はより凶暴化しています。
もし、私たちの意識が昔のままであれば――
「守れるはずの命を守れない」現実が訪れるでしょう。
変わらなければならないのは、気象だけではありません。
私たち防災士の意識そのものが変わらなければならないのです。

【ポッドキャスト】2025-10-14 OA ななこちゃったラジオ:日本防災ネットワーク(京都) 地域災害予報士 安岡 猛さん - FMまいづる 77.5MHz