令和7年度福祉避難サポートリーダー養成研修に参加。日東精工アリーナにて。2025/12/16(火)
12-16 研修: 災害時の避難所運営と要配慮者支援—ユニバーサルデザイン・重層的支援体制・京都DWAT事例-要約
2025-12-16 13:11:12: 2025-12-16 13:11:12
場所: [日東精工アリーナ]
講師: 柴田様(社会福祉法人大樹会/養護老人ホーム安岡園、京都DWAT中丹東エリアチーム)、山本様(社会福祉法人整公園 ライフステージ夢咲 施設長)、加藤先生(舞鶴工業高等専門学校 建設システム工学科 教授)

※写真はイメージ画像です
📝 総合概要
本研修・講義群は、災害時の避難所運営と要配慮者支援を中心に、一次被害から二次被害へ進ませないための「福祉目線の初動運営」「ユニバーサルデザインの実装」「重層的支援体制(避難所サポーター/福祉避難所サポートリーダー/京都DWAT)の連携」および平時からのBCP・人材育成・地域関係性の構築を体系的に扱った。能登半島地震(令和6年)における京都DWATの派遣実例を通じて、物資格差、運営の長期化、避難所統廃合、学校行事との調整、ライフライン遅延復旧等の現実と対応策が共有された。後半はグループワーク「避難者を導き、みんなで考えよう!避難所訓練」により、夏季早朝の地震想定下でのゾーニング、情報・言語配慮、感染対策、支援導線の設計を実践。全体振り返りではインクルーシブ防災の観点から、コミュニケーションボード、優しい日本語、ピクトグラム、電源・ICT・AI活用、防犯・衛生・車中泊管理まで運営改善点を整理した。
🔖 統合ナレッジポイント
- 要配慮者の定義・課題と二次被害の防止
- 災害対策基本法上の要配慮者は高齢者、障害者、妊産婦、外国人、疾病のある人、支援が必要な人全般を含み、避難生活で新たに支援が必要となる人も該当。誰もが状況次第で災害弱者になり得る。
- 避難所環境の不備は体調悪化や災害関連死(二次被害)を招くため、「助かった命を守る」福祉的運営が不可欠。
- 情報弱者(スマホ未活用等)への配慮が欠けると物資・支援情報から取り残される。避難所未来所者の安全は担保されず、来られない理由の想像・把握が必要。
- 避難所の種類・役割とユニバーサルデザイン
- 指定(一般)避難所は市町村指定の滞在施設だが、長期化で「生活の場所」となりやすく、要配慮者対応の人員・設備が不足しがち。
- 福祉避難所はバリアフリーと専門職で生活しやすいが、一般避難情報後すぐには開設されないことが多く、当初は一般避難所受け入れ→必要に応じ移送が運用。京都市内では一般約1,100、福祉約550か所で即時受け入れ能力に限界。
- 到着順運用は避難が遅れがちな要配慮者に不利。初動からユニバーサルデザイン(通路確保、明瞭掲示・音声の文字化、トイレ使いやすさ、段差解消)を採用し「要配慮者先行支援」を徹底。
- 重層的支援体制と役割分担(京都府)
- 三層構造:避難所サポーター(受付補助等)、福祉避難所サポートリーダー(環境改善・福祉ニーズ抽出・DWAT連携)、京都DWAT(福祉専門職の直接支援・医療連携)。
- サポートリーダーは平時から地域特性を把握し、防災訓練で要配慮者想定を提案。発災後は自身の安全確認→一般避難所で状況評価(継続可否/福祉避難所移送要否/緊急入院要否)→人員連携・マンパワー確保→福祉ニーズを可視化・上申。
- 体制活用により、一般避難所の環境未整備→福祉避難所へ集中→事業困難化→車中泊・在宅避難増→支援漏れ拡大といった連鎖を抑制。
- 平時の準備・BCP・地域関係性
- 福祉施設のBCPは義務化。大地震時は「半数でも来れば良い」現実を前提に最低運営体制・代替要員計画を整備。
- 地域の要配慮者把握、設備点検、物資保管、運営ルール、属性・在庫管理などは開設前からの準備事項。
- 支援は「被災地域が求めるもの」に合わせ、撤収後も地域が続けられる体制に。平時の隣人関係は初期救助に直結し、防災力を左右。
- 能登半島地震(令和6年)の実例と示唆
- 発生:2024-01-01 16:10、M7.6。死者約260、負傷約1,300、家屋全壊約7,700。寒冷・積雪、交通・物流の長期停止。
- 京都DWAT派遣:2024-01-08〜03-29、延べ41名。物資は集積偏在、奥能登など道路損傷で到達困難。舞鶴でも道路寸断リスクが高く「我が事化」した備えが必要。
- 避難所環境は段ボールベッド→テント間仕切りなど日々変化。2か月後も水道未復旧地域あり。アリーナ安全性問題で受入不可→物資置き場転用。学校卒業式に伴う体育館閉鎖で避難所移動・集約が発生。
- インクルーシブ対応:障害・高齢・認知症・外国籍
- 視覚・聴覚・知的障害、片麻痺、認知症、高齢者の具体的リスクに基づく配慮(通路クリアランス、掲示の視認性、音声の文字化、トイレ近接、段差解消、福祉用具手当)。
- 認知症は環境変化に弱く、不安・徘徊は「困りのサイン」。環境安定化とわかりやすい導線、安心の声掛けが重要。
- 外国籍住民には多言語・優しい日本語、ピクトグラム、宗教的配慮(祈り場所・方角)。「高台」等の用語を平易化。舞鶴・綾部で外国籍比率1〜2%程度。
- グループワークの設計・運営知見
- 夏の早朝の地震想定。電気・水道可、ガス不可、通信は利用可能性あり。1マス=1mの方眼でゾーニング(20人単位分割、女性更衣室・授乳室の分離、保健室の一時隔離、祈り場所、救護テント)。
- 要介助者・車椅子・高齢者は入口近く・トイレ近接に配置。元気な人は奥へ。伝言板・電話番を見やすい場所に。物資集積は動線と安全性配慮。
- 受付・名簿フォーマットでアレルギー・必要物品・職能を把握。事務室は鍵管理・立入禁止で個人情報保護。防犯(夜間の盗難防止)、断水時トイレ運用、感染対策、建物安全確認を初動項目に。
- 運営はリーダーの指揮統制と避難者参画で円滑化。ボランティア不足時は元気な避難者を支援者として活用。車中泊は必ず受付通過で所在管理。
- 情報・電源・AIの活用
- 掲示板の標準テンプレート(優しい日本語・ピクトグラム)でルール・動線・連絡先を明示。コミュニケーションボード常備。
- 電気が使える場合は翻訳ツール・PC活用。簡易ソーラーパネル・バッテリーで最低限の電源確保。
- AI・検索を用いて来所者の多様性や想定拡張を行い、マニュアル改善に反映。
❓ 質問 - [Insert Question/Confusion]
📚 統合課題・宿題
1. 居住地・勤務地の災害対応方針・避難所体制を事前確認し、マルチハザード情報システムに登録・活用する

2. 指定避難所の場所・建物種別・収容人数を自治体資料で確認し、現地見学する
3. 一般避難所のユニバーサルデザイン・チェックリストで通路障害物、掲示の視認性、音声情報の文字化、トイレの使いやすさ、段差解消を平時から点検・改善提案する
4. 要配慮者を想定した地域防災訓練(受け入れ・移送判断ロールプレイ)に参加・提案する
5. 発災時の行動計画(自分の安全確認→一般避難所→状況把握→福祉避難所/緊急入院判断・連携→人員確保調整)を文書化する
6. 情報弱者対応の準備(文字掲示テンプレ、筆談ツール、ピクトサイン、拡声・可視化ツール)を備蓄・共有する
7. 地域の福祉用具供給先の連絡体制(杖・歩行器・車椅子・簡易手すり等)を平時に整備する
8. 認知症サポーター講座等で避難所配慮(環境安定化・導線設計・安心の声掛け)のスキルを高める
9. 京都DWATとの連携窓口・支援要請フロー・役割分担を確認し、文書化する
10. 避難所運営マニュアルに要配慮者優先の受け入れ手順・ユニバーサルデザイン初動対応を追記・周知する
11. 避難所受付用名簿(アレルギー・必要物品・職能欄)を作成・共有する
12. ゾーニング計画(要配慮者、一般、親子、障害者、外国人、授乳室、保健室、物資スペース等)を方眼に落とし込み、表示用テープ・案内資材を準備する
13. 事務室の鍵管理・立入禁止ルール・個人情報保護手順書を整備する
14. 断水時のトイレ運用方針(管理トイレ/屋外簡易)と消毒・虫対策資材の備蓄を自治体と協議・文書化する
15. 防犯計画(夜間物資管理、見回り、盗難対策)を策定し、ボランティア配置計画に組み込む
16. 入口掲示板の標準テンプレート(優しい日本語・ピクトグラム)を作成し、平時から整備する
17. コミュニケーションボード/カードを公共施設に常備し、多言語対応を準備する
18. 簡易ソーラーパネルとバッテリーの導入可否を検討し、最低限の電源確保手順を整備する
19. 物資集積・配布の導線設計(廊下利用時の安全確保、要望収集→支援元送信)を作成する
20. 建物被害確認チェックリスト(天井・柱・窓・避難経路)を運営責任者用に準備する
21. 車中泊・駐車場の受け入れ条件、騒音対策、受付必須ルールを策定する
22. 行政・学校と統廃合・移動支援の調整手順(通知、集約計画)を協議し、テンプレート化する
23. 地域の要支援者リストを平時に更新し、自治会・行政と情報共有ルートを確立する
24. 相談コーナーと多目的スペース(着替え・治療・礼拝等)の設計・表示・運用手順を作成する
25. AIや検索を用いた想定訓練(来所者の多様性、医療支援者の種類等)を定期的に実施し、マニュアル改善に反映する
- 研修後アンケートに回答し、会場の原状復帰に協力する(回収ボックス/QRから回答)
🧭 実務メモ(演習進行)
- アイスブレイクで呼称ルール統一(連鎖型自己紹介)。演習は約1時間、途中で残り時間アナウンス。55分で振り返りチェックシート配布、確認事項(町内会長設置、伝言板、建物安全、感染対策等)を点検。全カード完了後は追加想定課題(言語不通来訪者等)を検討。
- 資材:模造紙(平面図)、カードセット、緑キャスティングテープ、付箋、筆記具、ファシリテータ用マインダー・振り返りシート。休憩時に机配置を前後接続し、文品配分・整理。ファシリテータは進行支援役で教示過多を避ける。

