巨大地震でトイレは安全な場所の一つ

今日の「今日できる防災」は、地震のときに家の中で身を守る場所の確認です。

巨大地震が起きたとき、家の中のどこにいれば安全なのか。
これは多くの方が気になることだと思います。

一般的には、丈夫な机やテーブルの下に入り、頭を守って揺れがおさまるのを待つことが大切です。
しかし、家の中の場所によっては、机が近くにない場合もあります。

その一つがトイレです。

トイレは家の中でも比較的狭く、壁に囲まれている場所です。
そのため、建物の中では比較的安全な場所の一つと言われることがあります。

ただし、「トイレなら絶対に安全」という意味ではありません。
地震の揺れでドアがゆがんだり、物が倒れて出入り口をふさいだりすると、閉じ込められる危険もあります。

大切なのは、トイレを安全な場所として考えるだけでなく、閉じ込めを防ぐ備えも一緒にしておくことです。

なぜトイレは比較的安全と言われるのか

トイレは、リビングや寝室に比べて狭い空間です。
壁に囲まれているため、家の中では構造的にしっかりしている場所が多いと考えられます。

また、トイレには大きな家具が少ないため、タンスや本棚、テレビなどが倒れてくる危険は比較的少なくなります。

地震で怖いのは、建物の揺れそのものだけではありません。
家具の転倒、物の落下、割れたガラス、照明器具の落下なども大きな危険です。

その点で、トイレは物が少なく、狭い空間であるため、比較的身を守りやすい場所と考えることができます。

ただし、これは家の構造やトイレの位置、収納物の置き方によって変わります。
すべての家で同じとは限りません。

トイレで地震にあったらどうするか

もしトイレに入っているときに大きな揺れを感じたら、まずは慌てずに身を守ることを考えましょう。

無理に飛び出そうとすると、廊下で転んだり、落ちてきた物に当たったりする危険があります。

トイレの中では、できるだけ姿勢を低くして、頭を守ります。
近くにタオルや衣類があれば、頭を守るために使うこともできます。

揺れが強い間は、無理にドアを開けて外へ出ようとしないことが大切です。
揺れがおさまってから、周囲の安全を確認して移動しましょう。

ただし、ドアが閉まったままだと、揺れでゆがんで開きにくくなる可能性があります。
余裕があれば、揺れの初期にドアを少し開けておく、または完全に閉め切らないようにすることも備えになります。

今日できる備え

まずは、自宅のトイレを一度確認してみましょう。

トイレの中や周辺に、倒れやすい物はありませんか。
高い棚に重い物を置いていませんか。
ドアの前に物を置いていませんか。
トイレの中に閉じ込められたとき、助けを呼ぶ方法はありますか。

今日できる備えとして、次のことを確認してみてください。

・トイレの棚に重い物を置かない
・突っ張り棚や収納用品が落ちないようにする
・ドアの前に物を置かない
・閉じ込められたときに使える笛を置く
・小さなライトを置いておく
・スマートフォンを持って入る習慣がある人は、充電も意識する

特に、トイレの上部に収納棚をつけている家庭は注意が必要です。
トイレットペーパーなど軽い物ならまだよいですが、洗剤、掃除用品、重い収納ケースなどが落ちてくると危険です。

家族で確認すること

地震のときに家族がどこにいるかは分かりません。

お父さんはトイレ。
お母さんは台所。
子どもはリビング。
高齢の家族は寝室。

それぞれ別の場所にいる可能性があります。

だからこそ、家族で「家の中の安全な場所」を確認しておくことが大切です。

「リビングならどこに身を寄せるか」
「寝室では何に注意するか」
「トイレで揺れたらどうするか」
「揺れがおさまった後、どこで集合するか」

このようなことを話し合っておきましょう。

小さなお子さんがいる家庭では、「地震が来たら頭を守る」「慌てて外に飛び出さない」という基本を、日ごろから伝えておくことも大切です。

高齢の方がいる家庭では、夜間にトイレへ行くことも考えて、足元灯や小さなライトを置いておくと安心です。

注意したいこと

トイレは比較的安全な場所の一つではありますが、注意点もあります。

一番の注意点は、閉じ込めです。

地震の揺れでドア枠がゆがむと、ドアが開かなくなることがあります。
また、廊下側に物が倒れて、トイレのドアをふさいでしまうこともあります。

そのため、トイレのドアの前には物を置かないようにしましょう。
廊下や玄関まわりも、普段から片付けておくことが大切です。

また、トイレの中に窓がない場合は、閉じ込められたときに外へ知らせる方法が限られます。
小さな笛やライトを置いておくと、助けを呼ぶ手段になります。

もう一つ注意したいのが、地震後のトイレの使用です。

大きな地震の後は、水道が使えても排水管や下水道が傷んでいる可能性があります。
無理に水を流すと、汚水が逆流したり、集合住宅では他の部屋に迷惑をかけたりすることがあります。

地震後は、自治体や管理会社の情報を確認し、必要に応じて災害用トイレを使うことも考えましょう。

京都府舞鶴市のように、山、川、海が近い地域では、地震だけでなく、津波、大雨、土砂災害など、複数の災害を考えておく必要があります。
家庭防災として、自宅の中で身を守る場所と、外へ避難する場合の行動を両方確認しておきましょう。

まとめ

巨大地震のとき、トイレは家の中で比較的安全な場所の一つと考えることができます。

狭く、壁に囲まれていて、大きな家具が少ないため、身を守りやすい場合があります。

しかし、絶対に安全な場所ではありません。
ドアがゆがんで閉じ込められる危険や、地震後にトイレを流せなくなる問題もあります。

大切なのは、トイレを「安全な場所の一つ」として考えながら、閉じ込め対策や災害用トイレの備えも一緒に進めることです。

今日はぜひ、ご家庭のトイレを一度確認してみてください。

棚に重い物を置いていないか。
ドアの前に物がないか。
小さなライトや笛を置けるか。
災害用トイレを準備しているか。

この確認だけでも、地震への備えになります。

災害時には、地域の自治体、気象庁、消防などが発表する最新情報も必ず確認してください。
日ごろの小さな備えが、家族と地域を守る力になります。

防災士 森本たかし(京都府舞鶴市)