
今日の「今日できる防災」は、熱中症対策の飲み物の使い分けです。
夏場の防災で忘れてはいけないのが、熱中症対策です。
地震、台風、大雨などの災害が起きたとき、停電でエアコンが使えなくなることがあります。
避難所や自宅避難でも、暑さが続けば体への負担は大きくなります。
そのときに大切なのが、水分補給です。
ただし、水だけを飲んでいれば大丈夫というわけではありません。
汗をたくさんかくと、水分だけでなく塩分も失われます。
そのため、夏場は水、スポーツドリンク、経口補水液を上手に使い分けることが大切です。
スポーツドリンクと経口補水液は同じではない
スポーツドリンクと経口補水液は、どちらも水分補給に役立つ飲み物です。
しかし、目的が少し違います。
スポーツドリンクは、大量に汗をかく運動時や、日常的な熱中症予防に使いやすい飲み物です。
水分と一緒に、糖分や電解質を補給できるため、暑い日の外出、運動、作業のあとなどに役立ちます。
一方で、経口補水液は、脱水時の水分と電解質の補給を目的とした飲み物です。
一般的なスポーツドリンクよりも塩分濃度が高く、体に水分と電解質を吸収しやすいように作られています。
つまり、普段の予防にはスポーツドリンク。
脱水が心配なときや、熱中症の初期症状が疑われるときには経口補水液。
このように考えると分かりやすいです。
スポーツドリンクが向いている場面
スポーツドリンクは、熱中症を予防するための水分補給として使いやすい飲み物です。
たとえば、
・暑い日に外で作業をしたとき
・汗をたくさんかいたとき
・運動をしたあと
・子どもが外遊びをしたあと
・避難所や自宅避難で暑さを感じるとき
このような場面では、スポーツドリンクが役立ちます。
特に夏場は、のどが渇く前にこまめに飲むことが大切です。
「あとで飲もう」ではなく、少しずつ早めに水分を取るようにしましょう。
ただし、スポーツドリンクには糖分が含まれています。
飲みすぎると糖分の取りすぎになることがあります。
普段の水分補給は水やお茶を基本にして、汗を多くかいたときにスポーツドリンクを使うなど、バランスを考えるとよいでしょう。
経口補水液が向いている場面
経口補水液は、すでに脱水が心配なときや、熱中症の初期症状が疑われるときに役立ちます。
たとえば、
・汗を大量にかいた
・強いのどの渇きがある
・体がだるい
・軽いめまいがある
・気分が悪い
・暑さでぐったりしている
・水分を取っているのに回復しにくい
このようなときは、スポーツドリンクよりも経口補水液を選ぶ方がよい場合があります。
経口補水液は、スポーツドリンクより塩分濃度が高く、脱水時の水分と電解質の補給を考えて作られています。
ただし、日常的にたくさん飲む飲み物ではありません。
高血圧、腎臓病、心臓病、糖尿病などで食事制限や水分制限を受けている方は、医師や薬剤師に相談してから使うようにしてください。
また、意識がぼんやりしている、呼びかけへの反応がおかしい、自分で水分が取れない、体温が高い、症状が強い場合は、経口補水液を飲ませるだけで済ませず、すぐに医療機関や救急相談につなげることが大切です。
今日できる備え
まずは、家にある飲み物を確認してみましょう。
夏場の備えとして、
・飲料水
・スポーツドリンク
・経口補水液
・塩分補給できる食品
・保冷剤
・冷却シート
・うちわや携帯扇風機
などを用意しておくと安心です。
特に災害時は、停電で冷蔵庫やエアコンが使えなくなることがあります。
冷たい飲み物が用意できない場合でも、常温で飲める水やスポーツドリンク、経口補水液を備えておくことが大切です。
スポーツドリンクは、普段から飲む家庭であればローリングストックしやすい飲み物です。
古いものから使い、使った分を買い足すようにすれば、無理なく備蓄できます。
経口補水液も、夏場は数本だけでも備えておくと安心です。
ただし、賞味期限を確認し、古くならないように管理しましょう。
家族で確認すること
熱中症対策は、家族で確認しておくことが大切です。
「スポーツドリンクはどこに置いてあるか」
「経口補水液はどこに置いてあるか」
「どんなときに使うか」
「高齢の家族はこまめに水分を取れているか」
「子どもが汗をかいたとき、何を飲ませるか」
こうしたことを話し合っておきましょう。
特に高齢の方は、のどの渇きを感じにくいことがあります。
「のどが渇いたら飲む」では遅いこともあります。
時間を決めて少しずつ飲むなど、家族で声をかけ合うことが大切です。
子どもも、遊びに夢中になると水分補給を忘れがちです。
夏場は、外遊びや運動の前後に水分を取る習慣をつけておきましょう。
注意したいこと
スポーツドリンクも経口補水液も、使い方を間違えると体に負担になる場合があります。
スポーツドリンクは、熱中症予防には役立ちますが、糖分が多いものもあります。
毎日の水代わりに大量に飲むのは避けた方がよいでしょう。
経口補水液は、脱水時の水分と電解質補給に役立ちますが、塩分を多く含みます。
健康な人が日常的にたくさん飲むものではありません。
また、熱中症が疑われるときは、飲み物だけで対応しようとしないことも大切です。
涼しい場所へ移動する。
衣服をゆるめる。
首、わきの下、足の付け根などを冷やす。
自分で飲める場合は、少しずつ水分を取る。
症状が重い場合は、迷わず救急につなげる。
このような対応をあわせて考えましょう。
京都府舞鶴市のように、夏場の暑さに加えて台風や大雨への備えも必要な地域では、飲料水とあわせて熱中症対策の飲み物を準備しておくことも家庭防災の一つです。
まとめ
熱中症対策では、スポーツドリンクと経口補水液を使い分けることが大切です。
日常的な熱中症予防や、汗をかいた後の水分補給にはスポーツドリンク。
脱水が心配なときや、熱中症の初期症状が疑われるときには経口補水液。
この違いを知っておくだけでも、夏場の備えは大きく変わります。
ただし、症状が強いときは、飲み物だけで様子を見ないことが大切です。
涼しい場所へ移動し、体を冷やし、必要な場合は医療機関や救急相談につなげましょう。
今日はぜひ、ご家庭にスポーツドリンクや経口補水液があるか確認してみてください。
災害時には、地域の自治体、気象庁、消防などが発表する最新情報も必ず確認してください。
日ごろの小さな備えが、家族と地域を守る力になります。
防災士 森本たかし(京都府舞鶴市)

