
防災士の資格を取得したものの、「これから何をすればよいのだろう」と迷っていませんか。
地域の防災活動に参加したいけれど、近くに団体がない。仕事や家庭があり、決まった活動に参加するのは難しい。人前で講習をするほどの自信もない。
そのような場合は、まず自分の暮らしの中で、防災士として学んだことを実践してみましょう。
防災士の活動は、組織に所属することや、大勢の前で知識を伝えることだけではありません。自分と家族の備えを見直すことも、立派な防災士活動です。
最初は「自分の備え」から始める
資格を取った直後は、何か特別な活動を始めなければならないと思いがちです。
しかし、最初から大きなことをする必要はありません。
まずは、自分の住んでいる場所にはどのような災害の可能性があるのか、自宅にはどのような備えがあるのかを確認してみましょう。
学んだ知識を自分の暮らしに当てはめて考えることが、防災士としての最初の一歩になります。
1.自宅周辺の災害リスクを確認する
自治体が公開している最新のハザードマップを見て、自宅や職場の周辺で想定されている災害を確認します。
確認したいのは、主に次のような点です。
- 洪水や土砂災害の危険があるか
- 地震による揺れや液状化の可能性があるか
- 津波の影響が想定されているか
- 指定避難所や避難場所はどこにあるか
- 避難場所まで安全に移動できるか
避難所の場所を知っていても、道路が通れなければ移動できません。地図を見るだけでなく、時間があるときに実際の経路を歩いてみると、新しい発見があります。
2.自宅の備蓄を確認する
次に、自宅にある水、食料、防災用品を一度並べてみましょう。
「備えているつもり」でも、確認すると期限が切れていたり、必要な数量が足りなかったりすることがあります。
最初は、次の項目を確認するだけでも十分です。
- 飲料水
- 普段から食べられる保存食品
- 非常用トイレ
- 懐中電灯やランタン
- モバイルバッテリー
- 携帯ラジオ
- 常用薬や救急用品
- 衛生用品
一度に買いそろえる必要はありません。不足しているものを書き出し、普段の買い物の際に少しずつ追加していきましょう。
3.家族と連絡方法を決める
災害は、家族全員が自宅にいるときに起きるとは限りません。
電話がつながりにくい場合にどうするのか、どこで待ち合わせるのか、誰が子どもや高齢の家族を迎えに行くのかを話し合っておきましょう。
最初に決めたいのは、次の3点です。
- 災害時に連絡を試みる方法
- 連絡が取れない場合の集合場所
- 避難するときに残す連絡や目印
長い防災会議を開かなくても構いません。食事をしながら「地震が起きたら、どこで会おうか」と話すことから始められます。
4.防災用品を一つ使ってみる
防災用品は、購入しただけでは本当に使えるか分かりません。
説明書を読まなければ使えないものや、家族には扱いにくいものもあります。電池が入っていなかった、必要な付属品がなかった、ということもあります。
まずは、手元にある防災用品を一つ選んで試してみましょう。
- 非常用トイレを組み立てる
- ランタンを点灯する
- 携帯ラジオの受信状況を確かめる
- モバイルバッテリーでスマートフォンを充電する
- 非常食を実際に食べる
実際に使って初めて分かることがあります。その気づきこそ、防災士として伝えられる実践的な情報になります。
5.実践したことを記録する
確認した備蓄や、使ってみた防災用品について記録を残しましょう。
特別な報告書を作る必要はありません。写真を撮る、ノートに書く、スマートフォンのメモに残すだけでも十分です。
記録しておきたいのは、次のような内容です。
- 実践した日
- 分かったこと
- 不足していたもの
- 改善したいこと
- 次に確認する時期
余裕があれば、ブログやSNSで紹介してもよいでしょう。「やってみたら意外と難しかった」という失敗談も、誰かが備えを見直すきっかけになります。
今日できる最初の一歩
すべてを今日中に行う必要はありません。
まずは30分だけ時間を取り、次の中から一つ選んでみてください。
- ハザードマップで自宅の場所を確認する
- 備蓄している水の期限を見る
- 家族に避難場所を尋ねる
- 非常用トイレを一つ開けてみる
- モバイルバッテリーを充電する
一つ実践すれば、次に必要なことが見えてきます。
防災士だからといって、最初から完璧である必要はありません。知識を自分の暮らしで試し、気づいたことを家族や身近な人に伝える。その積み重ねが、防災士としての活動になります。
防災士は、一人でも活動できる。
まずは今日、自分の暮らしの中でできることを一つ始めてみましょう。
参考資料・公的情報
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