今日の「今日できる防災」は、防災ワード「TKB48」についてです。
TKB48と聞くと、アイドルグループのように感じる方もいるかもしれません。
しかし、防災の世界で使われるTKB48は、避難生活の質を守るための大切な言葉です。
TKB48とは、
T=トイレ
K=キッチン
B=ベッド
48=災害発生から48時間以内
という意味です。
つまり、災害が起きてから48時間以内に、避難所へトイレ、食事、寝床を整えることを目指す考え方です。
避難所で本当に困るのは、生活環境です
災害が起きると、まず命を守る行動が必要です。
危険な場所から逃げる。
安全な場所へ移動する。
家族の安否を確認する。
水や食料を確保する。
これらはもちろん大切です。
しかし、その後に問題になるのが避難生活です。
トイレが足りない。
汚れていて使いにくい。
温かい食事が食べられない。
床が硬くて眠れない。
寒い、暑い、体が休まらない。
プライバシーがない。
体調を崩す人が増える。
避難所生活が長引くと、こうした負担が積み重なります。
災害で直接けがをしなかった人でも、避難生活の疲れや体調悪化によって命を落とすことがあります。
これが災害関連死です。
TKB48は、この災害関連死を防ぐために、避難所の環境を早く整えようという考え方です。
Tはトイレ
TKB48の最初のTは、トイレです。
災害時にトイレが使えないことは、想像以上に大きな問題です。
水が流れない。
仮設トイレが足りない。
汚れていて使いにくい。
夜に行くのが怖い。
高齢者や子どもには使いづらい。
このような状態になると、水分を控える人が出てきます。
水分を控えると、脱水や熱中症、エコノミークラス症候群の危険が高まります。
トイレの問題は、単なる不便ではありません。
命と健康に関わる問題です。
家庭でも、災害用トイレの備蓄はとても大切です。
Kはキッチン
Kはキッチンです。
ここでいうキッチンは、豪華な食事を用意するという意味ではありません。
避難生活の中で、温かい食事や栄養のある食事をできるだけ早く提供できるようにすることです。
災害直後は、おにぎり、パン、カップ麺、非常食などが中心になることもあります。
しかし、それが何日も続くと、体力が落ちます。
高齢者、子ども、持病のある方には大きな負担になります。
温かい汁物。
食べやすい食事。
栄養を考えた食事。
アレルギーや持病に配慮した食事。
避難生活では、食事の質も健康を守る大切な要素です。
家庭防災でも、非常食だけでなく、普段食べ慣れているレトルト食品、缶詰、スープ、みそ汁、飲料水、カセットコンロなどを備えておくと安心です。
Bはベッド
Bはベッドです。
避難所では、体育館や公民館の床に直接寝ることがあります。
しかし、硬い床に寝る生活が続くと、体への負担が大きくなります。
眠れない。
腰が痛くなる。
体が冷える。
疲れが取れない。
足を伸ばせない。
同じ姿勢が続く。
このような状態は、体調悪化につながります。
段ボールベッドや簡易ベッド、マット、断熱シートなどを早く整えることは、避難者の健康を守るうえでとても重要です。
床で寝ることを「仕方ない」と考えるのではなく、避難所でも人が安心して眠れる環境を整える。
これがTKB48の大切な考え方です。
48時間以内が大切
TKB48の「48」は、災害発生から48時間以内という意味です。
避難生活の負担は、時間がたつほど大きくなります。
最初の1日なら我慢できる。
でも、2日目、3日目になると体力が落ちてきます。
暑さ、寒さ、睡眠不足、トイレの我慢、食事の不足が重なると、体調を崩す人が増えます。
だからこそ、避難所の環境整備は「そのうち」では遅いのです。
できるだけ早く、トイレ、食事、寝床を整える。
それが災害関連死を防ぐことにつながります。
家庭で考えるTKB48
TKB48は、自治体や避難所運営だけの話ではありません。
家庭でも考えることができます。
T=災害用トイレはありますか?
K=水や食料、温かいものを食べる備えはありますか?
B=床で休めるマットや断熱シート、毛布はありますか?
この3つを家庭で確認するだけでも、在宅避難の備えが大きく変わります。
在宅避難を考えるなら、水や食料だけでは不十分です。
トイレ、食事、寝る場所をセットで考えることが大切です。
特に、夏場の停電や断水では、トイレと水分補給、休む場所が命に関わります。
冬場の停電では、床からの冷えや寝る場所の確保が重要になります。
避難所に行く前に、避難先も考える
TKB48の考え方を知ると、避難所の環境がどれだけ大切かが分かります。
しかし、すべての避難所がすぐに快適になるとは限りません。
だからこそ、避難先を一つに決めつけないことも大切です。
自宅が安全なら在宅避難。
危険なら避難所。
親戚宅や知人宅。
ホテルや旅館。
安全な地域への一時避難。
避難とは、難を逃れることです。
特に、猛暑の中で断水や停電が続くような場合は、無理に自宅や地域にとどまらず、電気や水道が復旧するまでの間だけでも、安全で休める場所へ移動することを考えてください。
今日できる備え
今日できる備えは、家庭のTKBを確認することです。
まず、トイレ。
災害用トイレは家族の人数分ありますか。
最低3日分、できれば7日分を目安に備えましょう。
次に、キッチン。
水、非常食、レトルト食品、缶詰、カセットコンロ、ガスボンベはありますか。
普段食べ慣れたものを少し多めに買っておくローリングストックもおすすめです。
最後に、ベッド。
床で休めるマット、断熱シート、毛布、寝袋などはありますか。
停電時や避難時に、家族が体を休める場所を作れるか確認しておきましょう。
京都府舞鶴市のように、山、川、海が近い地域では、地震、大雨、台風、土砂災害、停電など、さまざまな災害を考える必要があります。
防災士としても、家庭防災では水や食料だけでなく、トイレ・食事・寝る場所をセットで備えることをおすすめします。
まとめ
TKB48とは、災害発生から48時間以内に、避難所へトイレ、キッチン、ベッドを整えるという考え方です。
Tはトイレ。
Kはキッチン。
Bはベッド。
48は48時間以内。
これは、避難生活の質を守り、災害関連死を防ぐための大切な防災ワードです。
そして、家庭でも同じように考えることができます。
トイレはあるか。
食べる備えはあるか。
眠る場所はあるか。
この3つを確認することが、今日できる防災です。
避難生活は、ただ生き延びるだけではありません。
人として、家族として、少しでも安心して過ごせる環境を整えることが大切です。
災害時には、地域の自治体、気象庁、消防、道路情報、避難所情報などが発表する最新情報も必ず確認してください。
防災士 森本たかし(京都府舞鶴市)

