今回の熊本地震のように、真夏の猛暑に加えて、断水や停電が重なると、家庭だけで乗り切ることは非常に難しくなります。
エアコンが使えない。
冷蔵庫が止まる。
水が出ない。
トイレが使いにくい。
お風呂にも入れない。
スマホの充電も不安になる。
このような状態が続くと、体力のある人でも大きな負担になります。
高齢者、小さな子ども、持病のある方、妊娠中の方、体調に不安がある方にとっては、命に関わる危険にもなります。
在宅避難は大切な選択肢です。
しかし、在宅避難は「どんな状況でも家で我慢すること」ではありません。
水道や電気が復旧するまでの間だけでも、安全な地域のホテル、旅館、親戚宅、知人宅などへ一時的に避難する。
これも立派な防災です。
「避難所に行くほどではない」
「家が壊れていないから大丈夫」
「少し我慢すれば何とかなる」
そう考えてしまうかもしれません。
しかし、真夏の停電と断水は、想像以上に危険です。
暑さで眠れない。
水分補給が不十分になる。
トイレを我慢してしまう。
体力が落ちる。
熱中症の危険が高まる。
このような状態で数日間を過ごすのは、家庭防災の範囲を超える場合があります。
だからこそ、災害時には「自宅に残る」「避難所へ行く」だけでなく、「地域から一時的に離れる」という選択肢を持っておいてください。
電気や水道が復旧するまでの数日だけでも構いません。
安全な場所で、涼しい部屋で、水が使えて、トイレが使える環境に移動することは、決して大げさな避難ではありません。
家族の命と健康を守るための、現実的な避難です。
防災士として強くお伝えしたいのは、被災地で我慢しすぎないでほしいということです。
復旧までの間だけでも、避難できる場所があるなら避難してください。
ホテルや旅館、親戚宅、知人宅、安全な地域の宿泊施設を、平時から候補に入れておいてください。
防災とは、非常食を用意することだけではありません。
危険な環境から早めに離れる判断を持つことも、防災です。
防災士 森本たかし(京都府舞鶴市)

