
今日の「今日できる防災」は、防災ワード「アイスバス」についてです。
アイスバスとは、氷や冷たい水を入れた浴槽や大きな容器に体を入れて、体温を下げるための冷却方法です。
スポーツ現場やマラソン大会、猛暑の屋外活動などで、重い熱中症が疑われるときの身体冷却法として使われることがあります。
最近は、熱中症対策の言葉として「アイスバス」という言葉を聞く機会も増えてきました。
ただし、家庭で気軽に行うものというより、医療スタッフや救護体制がある現場で使われることが多い方法です。
アイスバスは何のために使うのか
熱中症は、体に熱がこもり、体温調節がうまくできなくなることで起こります。
特に危険なのが、意識がぼんやりする、呼びかけへの反応がおかしい、体温が非常に高い、まっすぐ歩けない、けいれんがある、といった重い症状です。
このような場合は、命に関わることがあります。
アイスバスは、体を短時間で冷やすための方法です。
体全体を冷たい水で冷やすことで、体にこもった熱を下げることを目的としています。
スポーツ現場では、「救急車を待つだけ」ではなく、到着までの間に早く体を冷やすことが大切だとされています。
家庭では無理にアイスバスをしない
大切なのは、アイスバスを家庭で無理に行わないことです。
氷水に体を入れる方法は、準備も管理も難しく、本人の状態を見ながら行う必要があります。
意識がはっきりしない人を浴槽に入れると、溺れる危険があります。
高齢者や持病のある方では、急激な冷えが体に負担になることもあります。
そのため、家庭ではまず次の対応を優先しましょう。
涼しい場所へ移動する。
衣服をゆるめる。
首、わきの下、足の付け根を冷やす。
水分が飲める状態なら、水分と塩分を少しずつ補給する。
意識がおかしい、自分で水分が飲めない、症状が強い場合は救急車を呼ぶ。
アイスバスという言葉を知っておくことは大切ですが、家庭防災では「無理に氷水へ入れる」よりも、まず安全に冷やし、早く救急につなげることが重要です。
冷やす場所は首・わきの下・足の付け根
家庭でできる熱中症対応として覚えておきたいのは、冷やす場所です。
冷やす場所は、
首の周り。
わきの下。
足の付け根。
この3か所です。
ここには太い血管が体の表面近くを通っています。
保冷剤、氷のう、冷えたペットボトル、冷たいタオルなどを使って冷やします。
ただし、保冷剤や氷を直接肌に長時間当てると、皮膚を傷めることがあります。
タオルで包んで使うようにしましょう。
おでこを冷やすと気持ちはよいですが、体の熱を下げる目的では、首、わきの下、足の付け根を意識することが大切です。
災害時にも熱中症は起こる
熱中症は、スポーツ中だけに起こるものではありません。
災害時にも起こります。
停電でエアコンが使えない。
避難所が暑い。
車中泊で車内が高温になる。
屋外で片付け作業をする。
水分を控えてしまう。
トイレを我慢して水分補給が減る。
このような状況では、熱中症の危険が高まります。
京都府舞鶴市のように、夏の暑さに加えて台風や大雨への備えも必要な地域では、災害対策と熱中症対策をセットで考えておくことが大切です。
防災士としても、夏の家庭防災では、水や食料だけでなく、体を冷やす備えをしておくことをおすすめします。
今日できる備え
今日できる備えは、とても簡単です。
冷凍庫に保冷剤があるか確認する。
タオルをすぐ使える場所に置く。
飲料水を多めに備える。
スポーツドリンクや経口補水液を用意する。
携帯扇風機やうちわを準備する。
家族で「熱中症のときは首・わきの下・足の付け根を冷やす」と確認する。
災害時は、冷蔵庫や冷凍庫が使えなくなることもあります。
そのため、常温で保管できる飲料水や経口補水液も備えておくと安心です。
また、地域のクーリングシェルターや、暑さを避けられる公共施設の場所も確認しておきましょう。
アイスバスは「重い熱中症で使われる冷却方法」
アイスバスは、熱中症対策の中でも、かなり強い冷却方法です。
スポーツ大会や救護所など、準備された環境で使われることがあります。
しかし、一般家庭で無理に行うものではありません。
家庭で大切なのは、
早く気づくこと。
涼しい場所へ移動すること。
首、わきの下、足の付け根を冷やすこと。
水分と塩分を補給すること。
危険な症状があれば、すぐ救急につなげること。
この基本を家族で共有しておきましょう。
まとめ
アイスバスとは、氷や冷たい水を使って体を冷やす方法です。
重い熱中症が疑われるスポーツ現場や救護所などで、身体を素早く冷やすために使われることがあります。
ただし、家庭で無理に行うものではありません。
家庭防災としては、まず涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首・わきの下・足の付け根を冷やすことを覚えておきましょう。
意識がぼんやりしている。
自分で水分が飲めない。
呼びかけへの反応がおかしい。
けいれんがある。
体温が高い。
症状が強い。
このような場合は、すぐに救急車を呼んでください。
今日の備えは、保冷剤、タオル、飲料水、経口補水液の確認です。
小さな備えが、夏の災害時に家族を守る力になります。
災害時には、地域の自治体、気象庁、消防、医療機関などが発表する最新情報も必ず確認してください。
防災士 森本たかし(京都府舞鶴市)


